デントコーンの収穫が終わりました9月中旬に4日間かかってデントコーンの収穫が終わりました。今年は干ばつの影響で、全道的にデントコーン成育が例年の5割という地域もあるなか、私達の牧場ではおかげ様で昨年よりも1割減にとどまり、なんとか必要量を確保することができました。
牧場の一部で「有機畜産物」(生産工程)を取得しました平成 15 年に上田代表が欧州オーガニック畜産視察を行ってから18年。やっと私たちの牧場でも認証を受けるに至りました。平成の初期から、安全な牛肉生産に取組み、餌に遺伝子組換え飼料や抗生物質を使用せず、草地に化学肥料を使用せず、飲み水は塩素の入っていない天然湧水で、放牧を取り入れながら牛を飼ってきました。

短角牛の一貫生産に切り替えてから 16 年。繁殖牛の自社番号も1,000番を超え、子育て上手な母牛が増えてきました。最近では道東より導入している純国産シャロレー牛の頭数も増えてきました。これからも環境負荷を抑えながら皆さまに喜んで頂ける牛づくりを追求していきます。有機JASマークのついた牛肉が出荷されるのは来年秋頃。まずは生協様との契約頭数のみのスタートなので、少頭数です。私たちの牧場の牛すべてに有機JASがつくわけではありませんが、安全な牛肉生産に引き続き努めて参ります。
有機 JAS 規格について日本で農畜産物や農畜産物加工食品に「有機」や「オーガニック」と表示して販売するためには、「有機 JAS マーク」を添付する必要があります。
農作物にあたっては、原則として植え付け前2年以上農薬や化学肥料を使用していない圃場(畑)で、遺伝子組み換え技術でつくられた品種の種・苗・作物・収穫物を使用しないこと(Non-GMO)などが条件です。加工品にあたっては、原則として製品中の95%以上が有機農畜産物及び有機農畜産物加工品であることと、加工法は物理的もしくは生物的な方法を用いることなどが条件となり、ともに「非有機のものによる混だみがないこと」が条件です。
この「有機 JAS マーク」を添付して「有機」や「オーガニック」と表示して食品を販売するには、農林水産省から認可を受けた認証団体に登録・認定を受ける必要があります。また有機/非有機どちらも製造する加工所であれば、使用する器具を分けるか、有機のものを製造する前に洗浄を行い、記録管理しておくことなどの決まりがあります。

有機 JAS マークが付いた牛肉の生産には、おおざっぱに言うと
①有機認証を受けた圃場で栽培管理された飼料(牧草、デントコーンなど)及び、有機JAS認証を受けた外部購入飼料(有機牧草や有機おからなど)でその牛が生涯に渡って食べる飼料のうち 85%以上を賄うこと
②悪天候や出産、仕上げ肥育期間など特別な場合をのぞき、野外飼育場へ出られる環境におくこと
③その牛の一生についての日々の記録管理をすること
④非有機のものと混ざらないこと(機械や施設等を有機、非有機双方に使用する場合は、有機的管理で使用する前に洗浄を行い、その記録管理をすること)
⑤生まれる 6 ヵ月前から母牛の有機管理をすること(移行期間の経過措置あり)
これらのことが必要です。
この度私たちが認証を受けたのは、有機畜産物の生産工程管理です。現在の牧場全体の飼養頭数、施設で有機認証を取るにはたくさんのハードルがあり、たくさんのコストがかかるため、現在は生協さんとの取り組みの範囲での生産のみになり、有機JASマークがつくのは牧場の中の一部の牛になります。しかしながら、慣行の牛が食べている牧草は有機の牛と同じものになりますし、私達の牧場の今までの管理も有機に準ずる飼養です。世の中の仕組み(法律など)が変わっても、自然の摂理は変わりません。これからも安全な牛肉生産、持続可能な農業のために、「雄大な自然の優しさと厳しさ、そして人間の英知と努力」を胸に、努力していきます。
