黒毛和牛の基礎原種であり、現在ではわずか100頭以下しか存在しな「竹の谷蔓牛」は、広島県庄原市西城町(旧比婆郡)竹の谷地にて優れた農耕用牛として強靭な体力と温厚な性格が高く評価されていました。
大正~昭和にかけて種牛として全国に広まり、多くの和牛品種の基礎となり、黒毛和牛のルーツの一部を形成しているといわれています。
日本国内でのシャロレー牛飼養の歴史
日本では、戦後の北海道道南地方に「曽田シャロレー牧場」という牧場がつくられました。日本が島国であることから防疫面でも安全だということで、フランスのシャロレー登録協会と直にやり取りをし、認定を受けてシャロレー牛を輸入して飼っていたようです。シャロレー牧場が閉鎖されてからは、日本国内では大学などで品種の保存として数頭飼われていただけのようです。
「シャー黒」という新たな品種を
「シャロレーは続けてほしい」とのお声を頂く中、世界中にはシャロレー牛はたくさんいるので、私たちの牧場ならではの牛づくりにも夢を馳せています。その足掛かりとして、シャロレー牛と黒毛和牛の交雑種(F1)“シャー黒”です。毛はグレーで鼻色も黒。顔つきや体型は黒毛っぽさが入り、純血シャロレーよりも小柄の傾向にあります。
肉質はこれも個体差がありますが、赤身王国であるフランス産の純血シャロレーよりもいくらかのサシが入り、短角と同じくらいの扱いやすさで、赤身の旨さとサシの旨さの両立を期待できます。
「和牛」と表示できるものは、黒毛和種、褐毛和種、日本短角種、無角和種の4品種と、それらの交配種のみです。
北十勝ファームでは、30年後に「白毛和牛」の和牛登録を目指しています。