北十勝ファーム便り

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北十勝ファーム便り NO.19

北方領土に南部牛がいる?!
平成20年7月に北方領土の歯舞群島(はばまいぐんとう)志発島(しぼつとう)で撮られたという写真のなかに、牛が写っているものがありました。
北海道庁の史料によると、戦前北方領土で約6000頭の牛馬を放牧していたという記録があります。
その頃、北海道の南側の漁師町では、不漁の時に備えて南部なんぶ牛を飼っていたという歴史もあるので、およそ10 年前に撮られたというこの写真を見て、「もしやこれは、日本人が北方領土を追われた際に置きざりにせざるを得なかった南部牛が自然繁殖したものではないだろうか?!」と上田代表が推測しています。
南部牛とは、旧南部藩領で役牛として飼われていた牛です。
私たちが飼っている日本短角種は、この南部牛とイギリス原産のショートホーンという牛をかけ合わせて改良されました。
日本の和牛と呼ばれる4種の牛達1900年から約半世紀かけ、在来種と外来種を交配させ改良されてきたのです。
この写真に写っている牛が南部牛かどうかは定かではありませんが、北方領土で南部牛を飼育していたという文献があれば、可能性があります。
現在は情報収集をしている段階ですので、まだ何とも言えませんが、もし本当にそうだったら、短角牛の遠い親戚が北方領土で生きているということになるかも?!
ちょっとロマンを感じているところです。


もうすぐ丸1年になります
昨年3月下旬から働いてくれている松林さんももう少しで入社して1年になります。
担当は主に繁殖雌牛と子牛の体調管理。
毎日のチェック表も1年分溜まりました!
細かく見てくれているので、昨年生まれた子牛も皆元気に育っています。
さて、そろそろ今年も分娩ラッシュが始まります。
昨年の経験を活かし、また宜しくお願いします。


お腹のむしが鳴く③
数年前から十勝地サイダー研究会という集まりに所属しており、昨春に足寄町の観光地であるオンネトーという湖をイメージした地サイダーが完成しました。
大自然のオンネトーで森林浴をした気分になれるようにと、香りづけに足寄町の町木であるアカエゾマツの葉エキスを使用したことがきっかけで、林野庁職員が事務局を務めるアカエゾマツ研究会にお声掛け頂き、最近森のことも勉強しています。
知れば知るほど、森と牛、人までもがリンクしていきます。
大地には様々な微生物や細菌類がいます。
1gの土の中に10 億匹もの細菌類がいるそうです。
そんな大地に根をはり、長く生き続ける木々や植物は抗菌作用をもつ様々な物質を作り出しているということも知りました。
畜産にも活かせないかと模索中です。
色んなものと共生しながら元気に育つ木々。牛のお腹の中でもたくさんの細菌や枯草菌などがいて、草からエネルギーを吸収するた
めに力をかしてくれています。
ふと考えると、私たちの消化管の中もそう。
どうでしょうか、森を近くに感じませんか。