北十勝ファーム便り

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北十勝ファーム便り NO.4

牧草の収穫をしています~釧路市音別町の採草地から~
牛の主食となる牧草。
放牧中は草地に生えている牧草を好きなだけ食べていられますが、北海道の冬は放牧地も雪に覆われ、草も枯れてしまいますので、冬の間の飼料を夏の間に貯えておかなければなりません。
いかに栄養価の高い状態で、かつ量を多く収穫するか。
上田代表の経験に基づく指示に全てがかかっています。
写真の状態にするまでに5種類の作業機械を駆使し、毎日天気予報とにらめっこ。
刈り終えてお日様と風の力で乾燥させている間に雨に当ててしまっては、栄養価がガクンと落ちるからです。
広い草地を一日中走るものですから、作業機械も悲鳴を上げ、作業中に壊れてしまう事も多々あります。
雨雲が近づいていることに焦りながらの修理だと、「わーっ!!頭からオイルかぶったー!!」なんてハプニングも・・・f(^_^;)
その年に初めて収穫する牧草を「1番草」と呼び、北海道では今まさに1番草の刈り取り時期です。
1番草を刈った後にまた伸びたものを収穫した牧草を「2番草」と呼びます。
一般的に1番草の方が栄養価が高く、今時期の農家の皆さんは牧草の刈り取りのことで頭がいっぱい。
それは、収穫した牧草の品質の良し悪しで、牧場の運営に影響が出るからです。
雨に当ててしまった草は美味しくないから牛が食べない、もしくは栄養価が低いので食べてはいるけど、思ったより大きくならない、太らない、なんだか繁殖成績がよくない・・・など、一年中牛舎の中で飼われ、人によって刈り取られた牧草を与えられている牛こそ、その影響は顕著に表れます。
「あなた達は新鮮な牧草をたっぷり食べられてよかったね。冬の間の草も美味しいものにしてあげるからねっ!」
放牧地でのんびりする牛達を横目に、今日もトラクターで走り回っています。

初産が安産で一安心
初めて分娩するお母さん牛は、自分の身体も成長段階で産道も狭いので難産になる可能性が高く、スタッフ2~3人で分娩を手助けする場合があります。
初産の牛が分娩しそうになると、その情報は牧場で共有され、召集がかかるとスタッフは自分の作業をやめて駆けつけます。
先日も初産牛が分娩しそうとの連絡を受け、駆けつけると・・・
「あら、もう産んだの?」集まった皆は拍子抜けしつつもほっと一安心。
このお母さんには子を沢山産んでもらいたいね、そんな話になるのでした。