自然と人間の調和にこそ、本物がある

北十勝ファームは短角牛の一貫生産にこだわる、
飼育頭数日本最大級の牧場です。

約3,700haの森林が隣接した広大な牧場。
豊かな自然と清らかな湧水に恵まれた環境で「北十勝短角牛」は飼育されています。
「夏山冬里」方式で飼育し、放牧中は母牛の乳と緑の青草をお腹いっぱいに食べることができ、
自然のリズムで育つため、ストレスなく健康的に育っています。
北十勝ファーム
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牛
牛
北十勝ファームの取組

北十勝ファームの取組

安心安全と美味しいを求めて

北十勝ファームの短角牛は、国産飼料にこだわり、アニマルウェルフェアを推進しながら北海道の広大な大地でのびのびと育てられています。2018年からは牧場の一部で有機JAS(オーガニック)認証も取得し、採草放牧地はすべて有機認証のもので、有機牛の出荷も2023年より開始しています。

白毛和牛への挑戦

白毛和牛への挑戦

白毛の和之蔓牛

「和牛」と表示できるものは、黒毛和種、褐毛和種、日本短角種、
無角和種の4品種と、それらの交配種のみです。
北十勝ファームでは、30年後に「白毛和牛」の和牛登録を目指しています。

PRODUCTS取扱商品

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LETTER北十勝ファーム便り

2022.11.05

北十勝ファーム便り NO.53

隣接放牧地より牛が入りこみ、ロールラップは哀れな姿に(^^;

「この間収穫して、ラップ(ラップサイレージ)置いたままの畑に、隣の牧区にいた牛が入りこんでます・・・」麻布大学からのインターン実習生と共に、音別の牛のチェックに向かった中村さんから、上田代表に連絡が入りました。
「あちゃー運び出して明日ラップ巻き直さないと…こりゃ何時間かかるか。まず牛を移動させないといけないけど、呼んでも全然来ない。」(※これがタイトルのところの写真です(笑) こんな日もありますね!







日照不足でデントコーン収量 例年並みとはいかず・・・


今年の十勝地方は、6・7 月に長い蝦夷梅雨や豪雨に見舞われ、夏場のからっとした晴天が続かず、デントコーンの収量としては、例年の7割にとどまりました。茎も細く、丈もない状況ではありますが、水分が少なかったので、細断収穫チューブ詰め後の水分流出はほとんどありませんでした。しかしながら、収穫物低水分による、乳酸発酵の度合いと、栄養価については飼料分析してみないと何とも言えないところです。上田代表によると「これだけデントコーンの出来が悪いのは経験したことがない。堆肥散布時期や、借地の元々の地力、天候など課題が見つかった。ここ数年収量が多い年が続いていたが、こんな年もあると心にとめて、多かったら他に売っても良いのだから、来年は栽培面積を増やさないといけないかもしれない」。牧草収穫量も、収穫時期や天気に恵まれず昨年並みとはいきませんでした。
まずは冬を乗り切り、来年にこの教訓を活かしていきます。


種牛「沢春」おつかれさま。ありがとう。



平成23年3月に私たちの牧場で産まれ、種牛として10年近く活躍してくれた「沢春」号。体高は高くないものの、胴のびとロース芯面積の改良に寄与してくれた牛でした。弊社の中村さんが子牛の時から手をかけて育てたので、従順で他の人も扱いやすく、また種付けも上手で、新規繁殖雌牛に選抜した群には沢春を入れるとちゃんととめてくれる(受胎させる)という雌牛の扱いが上手い子でもありました^^弊社での蓋世系の種牛が充実してきたことと、今年「錦宝」号という後継牛ができたこと、年齢も重ねてきたということで、先日種牛としてのお役目を全うしお肉になってもらうことになりました。今まで種牛は出荷したらと畜業者にゆだねていましたが、特に思い入れのある牛ということでお願いして委託加工の許可をいただき、私たちとしても初めて種牛のお肉を扱わせて頂きます。きっと国内でも年に数頭しかと畜されない「種牛」。お世話になっている皆さまに、ご案内までさせていただこうと思います。

2022.08.05

北十勝ファーム便り NO.52

記録的短時間大雨で場内の一部で数日間断水に…

局所的な豪雨が各地で起きています。「今まで経験したことのないような」と報道されますが、私たちの牧場でも 7 月 27 日の夕方から深夜にかけて 1 時間に降雨量 90mmの雨が断続的に降り、場内にひいている一部の水道管に水が来なくなってしまい、それによって、半分以上の牛舎で断水してしまいました。断水に気が付いた27日夜から一晩中、空が明るくなるまで使える水道からバケツに水を汲み、3台の軽トラの荷台にいっぱいにして断水の牛舎の水槽に水を入れる作業を続けました。



翌28 日は、どの水道管に不具合があるのか、朝の牛の飼いつけ(エサやり)が終わったあと事務所に集まり、水道管修繕の作戦会議です。



災い転じて福となす



私たちの牧場は足寄町市街よりも高台にあり、公共の水道は入っていません。代表の父や祖父の代に切り開いた土地で、水道も当時からの物を使用しており、隣接する天然雑木林からの伏流水を水源とし水質もよく、途切れたことはありませんでした。ここで生まれ育った父もこんな水害は初めての事態でした。今回、大変な思いをしましたが、おかげで水源や水道管、その管理整備に係る知識経験を得ることができました。牛のために奔走してくれた牧場スタッフや、地域の方々、心配のお声をくださった皆さまに改めて心から感謝申し上げます。


枯渇しそうな水槽への給水

消防車が水を運んできてくれました



牧場内を何か所も掘り起こして水道管やバルブを確認しました



すぐに修繕できない水源の代わりに敷地内の昔から確認していた伏流水水源を整備し、断水は解消しました



断水中の3日間は連日30℃を超え、断水中の牛舎の牛たちにしっかり水があたるように500Lタンクで各牛舎を走り、修繕と同時に給水もしっかり行いました
2022.04.05

北十勝ファーム便り NO.51

今年も放牧シーズンを迎えました

5 月 23 日に今年も記念碑の前でおまつりをしました。音別放牧地、採草地における安全祈願です。
この地に昔からいるたくさんの神様、仏様に感謝し、これからの放牧・採草シーズンを無事に過ごせるように見守ってくださいと心で呟きます。毎月17日に足寄本場にある馬頭様と畜魂碑の前で社員一同集まって手を合わせますが、放牧シーズン前のこの音別放牧地にある記念碑のおまつりは毎年の私たちの大切な行事です。
入牧はまだ2割程度しか進んでいませんが、気を引き締めて、牛も人も安全に作業を進めていきたいです。



繁殖牛の選抜について

私たちの牧場では、繁殖牛は現在のところ約220頭を基準としています。繁殖牛とは、子牛を産んで育ててくれる雌牛のことです。高齢の牛も増えてきたので、入れ替えのために育成牛の中から繁殖素牛(若牛)を選抜しました。




本牛(その牛自身)の体格・生まれてからの健康状態、その牛の母牛の性格・分娩能力・泌乳能力、父牛血統の頭数バランス、その牛の兄弟姉妹の枝肉成績、母牛の系統等…過去の反省も踏まえながら私たちなりの統計データと、代表の牛を見る目でしっかり選びました!




繁殖牛として選んだ牛さんには、何か不具合がない限り基本的に毎年種付けをして子供を産んでもらいます。成績が良く子育てのうまい子は、13産もしますが、この繁殖牛に一番大切な“安産かどうか”は、実際に産んでみないとわからないことなのです…どれだけ慎重に見極めて選んでも、その子自身の分娩能力というのは産んで初めてわかること。いざ迎えてみなければ何があるかわからないのがこの命をつなぐ妊娠・分娩の世界。逆子等の発生はなかなか予知できませんが、するっと自力で産めるかどうかや産乳能力、産子に対する気持ちの向き方、分娩後の他の牛や人に対する気持ちの向き方などを見て、継続して繁殖牛として活躍してもらうかどうかを判断します。
今年選抜した繁殖若牛たちには、わかりやすいように年ごとに色を変えてその子たちだけの連番をつけます。来年分娩してもらって、また次も子牛を産んで欲しいな、という子にはこの若牛のタグを外して、繁殖牛の連番のタグをつけなおし、本格的に繁殖牛として先輩方に仲間入り。




飼育頭数日本の 1 割という責任感をもって繁殖牛を選ぶ



日本短角牛は、日本に約 8,000 頭しかいません。つまり世界でそれだけしかいないということです(そう書いた後で調べたら、令和 4 年4月の時点で 6,790 頭でした…
この 1 年でまた一段減ったようです。日本短角種はまき牛(自然交配)による季節分娩なのでこの時期はまだ少ないのかもしれませんが)。私たちの牧場の飼養頭数は約650頭ですので、日本短角牛という品種の1割弱を飼養していることになり(繁殖牛所有頭数としてはもっと割合は低いですが)、それを踏まえて牛作りをしていかないといけないと考えています。
お乳を生産物としているのであれば、種付けしてから9ヵ月強でその牛の産乳能力がわかりますが、お肉の場合は種付けしてから 3年経たなければ産まれた牛の枝肉成績がわかりません。昨年、すごく枝肉成績が良く、お客様にも喜ばれた牛の血統をさかのぼって、その母牛の系統が途絶えかけていたことにやっと気づいたということがありました。種雄牛は毎年何頭も子を残せるので、その特徴は目立ち易く改良も早いのですが、雌牛は 1 年に1~2頭しか子を残せませんし、その系統を濃く残すにはその娘を産んでもらう必要があり、産子の雌雄は本交だと自然任せ半分の確率です。肉牛の改良には長い時間がかかります。
黒毛和牛の枝肉成績、歩留まりの良さはたくさんの先人たちの努力の賜物だと思います。凍結精液による人工授精での種付けですので、改良のスピードも速く遺伝率もロース芯面積で5割と、ものすごい改良度になっています。短角牛は、夏山冬里と本交により、のんびり育ててきた印象があります。少なくとも、私たちは短角を飼い始めてまだ18年。短角ならではのゆっくりとした改良ですが、これからもっと勉強し分析し、改良に真面目に取り組んでいかなればいけません。
私たちは、お肉になってもらう為の牛を育て、生かしてもらっています。命を軽んじるつもりはなく、でも経済動物としてより良くなるように改善していくべきだとも思います。牛を食べたくないとは、私は思ったことがありません。生きていて美しく、食べて本当に美味しい、胸の奥が温かくなって、ありがとうと涙が出るような気持ちになり、食べたあと力が出る気がするからです。代表が掲げた「雄大な自然の優しさと厳しさ、そして人間の英知と努力その調和の中にこそ本物の農業、本物の食、本物のおいしさがある」という理念。私たちの牧場は、やっぱりこの言葉を目指しているのだなと感じています。

EVENTお知らせ

2025.09.25
牧草収穫 集草/レーキ
2025.09.25
牧草収穫 ロールベーラー

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〒089-3735
北海道足寄郡足寄町美盛3−19